2006年1月29日日曜日

社会人


当店アルバイトのフジコは、いつもニコニコしており、完全に天真爛漫である。
ミニスカートにブーツで出勤してくるのだが、大体ストッキングが破けている。一緒に飲みに行けば、パンツ丸出しで酔っ払ってしまい、次の日に「変なパンツ見せてすいません」と、誤り所を間違う。「おはようございます」と、店に出てくれば即座に「今日の賄いは何すか」と聞いてきて、常に腹を空かしている。
そんな彼女であるが、仕事はしっかりしているので頼もしい。将来は、バーテンダーになりたいらしく、只今アルバイトは休み、ホテルのバーにて実習中である。皆で、「フジコちゃんとやってるかね」等と話していた所、フジコがふらっと店に現れた。
「今日は休みなんすよ・・」と、いつもの元気が無いのでどうしたのかと尋ねた所、実習にて社会の現実に打ちひしがれたという。
「社会人て大変なんすね、フジコ今迄すごい楽してたなー」と、漏らすので、「大変な事もあるけど、良い事も一杯あるから」と、皆で色々元気づけると、持ち前のパワーで復活し、昼間から一人カウンターで酒を飲み始めた。
思えば私は、そんな事も感じないまま30を過ぎてしまった様な気がする。人にお礼を言える様になったのも、ここ2、3年の話しである。フジコの方がよっぽど大人である。

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